映画『最強のふたり』から…Pas de bras, pas de chocolat
ずっと見たかった2011年のフランス映画 Les Intouchablesを見ることができました。
詳しい内容は、例えば、
あるいは、長い予告編や一部抜粋(extrait)まであるフランス語の映画情報サイト
をご覧いただければと思います。
さて、今回、取り上げたいのは、このAlloCinéのサイトの抜粋部分にもあったDrissのセリフからです。
上の1:04あたりから
Philippe: Donnez-moi un chocolat!
Driss: Non.
Philippe: Donnez-moi un chocolat!
Driss: Pas de bras, pas de chocolat....C'est une vanne... Je déconne.
Philippe: Ah, c'est une blague.
フィリップ:チョコレートをくれ。
ドリス:いや。
フィリップ:チョコレートくれよ。
ドリス:腕がない人にはチョコレートはなし。*1
…ジョークだよ。からかったんだ。
フィリップ:ああ、ジョークか。
そして、
1:23あたりから
Driss: C'est une vanne connue. Pas de bras, pas de chocolat, mais avec vous...
ドリス: 有名なジョークだよ。「腕がないとチョコレートはなし」、でもあなたには…。*2
実際、調べるとPas de bras, pas de chocolatは本当に有名なブラック・ジョークの小話の一節のようです。
Pas de bras, pas de chocolat — Wikipédia
« Maman, je peux avoir du chocolat ?– Il y en a dans le placard, va donc te servir.– Mais Maman, je peux pas, tu sais bien que je n’ai pas de bras…– Pas de bras, pas de chocolat ! »
「ママ、チョコレートもらえる?」
「戸棚の中にあるわよ。取ってきなさい。」
「でもママ、できないよ。だって僕、腕がないんだから。」
「腕がない子はチョコレートは無しなの!」
え?ブラック・ジョークとわかっていても、腕がない子がかわいそうで、私はちょっと笑えません。*3
私のように納得いかない仏語学習者がいるようで、wordreferenceという辞書のフォーラムで質問をしている人がいました。しかし、結局は深い意味のないブラックジョークという落ちでした。
ここだけ取り上げると冗談がきつすぎる気がしますが、映画全体を見ると、こんなブラックジョークも言えるぐらい親しい遠慮がない間柄、という微笑ましいやりとりです。