映画『最強のふたり』その2…Phrases de trois kilomètres
昨日に続いて2011年のフランス映画『最強のふたり』のセリフを取り上げます。
残念ながら今回は映像、音声なしですが、完全にネタバレですのでまだご覧になっていない方はご注意ください。
Philippeの文通相手にDrissが勝手に電話するシーンから。
オペラのシーンの前で、始まって52分ぐらいのところです。
ちなみにセリフは私のDictéeをもとに検索して出てきた論文の参考資料をもとに
しています。*1
Philippe : Eléonore? C'est Philippe... Voilà je...je vous appelle parce que j'avais terriblement envie d'entendre le son de votre voix et je veux dire que rien que ce petit « Allô », je suis comblé.
- Ne quittez pas, je vous la passe.
Driss : Phrases de trois kilomètres, faites plus simples!
<拙訳>
Philippe:エレオノール?フィリップです。電話してしまいました…あなたの声がとても聞きたくなって…このアローという言葉だけで、もう胸がいっぱいです。
電話の声:少々お待ちください。代わります。
Driss:長すぎ。もっと簡潔に。*2
Drissのセリフの"Phrases de trois kilomètres"という言葉をGoogle検索するとfaire des phrases de trois kilomètres あるいはfaire des phrases de trois kilomètres de longという表現がいっぱい出てきます。
辞書では見つけられませんでしたが、こういう言い回しがあるですね。
faire des phrasesだけでも大げさな表現というような意味があるようですが、「3kmの文」なんて有りえないぐらいの誇張表現が人口に膾炙しているのはどうしてなんでしょうか。興味深いです。
*1:
https://zaguan.unizar.es/record/9362/files/TAZ-TFM-2012-1004_ANE.pdf
p104
*2:字幕では、「フィリップだ。どうしても君の声が聞きたくて電話した。"もしもし"だけでもう感激している。」「彼女に代わるわ」「もっとシンプルに」となっています。