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ことばのまわりをぐるぐると♬

旧タイトル:仏語と独語の学習メモ♬

L'oiseau et l'enfant 鳥と子供 (2):ことば遊びと脚韻

前回はKids UnitedのL'oiseau et l'enfant「鳥と子供」の歌詞の単語メモで終わってしまいましたが、今回はその続きで歌詞の言葉が作るリズムの話です。

言葉遊び

この歌を聞いてすぐに気づくのは、同じ単語が何回も使われることです。

日本語でいうと、「甘いは砂糖、砂糖は白い、白いはうさぎ、うさぎは跳ねる」みたいな言葉遊びみたいです。でも、メロディーの冒頭と終わりの言葉なので、ちょっと間が空いていますね。

何を言いたいかわかった人は以下は飛ばしてくださいね。

この歌は4行ずつで1つのメロディーを構成しているとすると、4行ごとに、1番の歌詞、2番の歌詞となります。 

つまり私がここで1番目とするのが

Comme un enfant aux yeux de lumière
Qui voit passer au loin les oiseaux
Comme l'oiseau bleu survolant la Terre
Vois comme le monde, le monde est beau

で2番目とするのが

Beau le bateau, dansant sur les vagues
Ivre de vie, d'amour et de vent
Belle la chanson naissante des vagues
Abandonnée au sable blanc

です。

言いたいのは、太字にしたところがメロディーの最後と最初です。1番目の最後のbeauと2番目の最初のBeauが同じ単語ということです。

2番目の最後はblancで終わり、3番目は当然Blancで始まります。

Blanc l'innocent,..... そしてjourで終わると、4番目は

Jour d'une vie..で始まりun monde d'amourで終わり、5番目は

L'amour c'est toi,で始まります。ここだけメロディーが別ですが、c'est moiで終わり、通常のメロディーに戻り6番目、

Moi, je ne suis でちゃんと始まり、noireで終わり…7番目は

Noire la misère で始まり、次にenfantで終わり、8番目は

1番目のComme un enfantに戻るんです!

 

これ、とっても面白くないですか?  個人的にはジャズではないのに、ジャイブ感があるというか、次へ次へと引っ張られていく牽引力がある感じがします。

どうでしょうか?

 

脚韻

もう一つ気づくのが脚韻を踏んでいるということです。

フランス語の詩に脚韻があることすら知らなかった私ですが調べると 

「詩」がその最高峰! 「フランス文学」の楽しみ方 

熊本大学文学部文学科の大熊 薫 教授による門外漢向けのわかりやすい解説がありました! 

Point2 フランス詩の男性韻と女性韻

(中略)

フランスの定型詩の形式の一つは「脚韻を踏む」ということです。 「脚韻」とは、例えばロン(long )とヴィオロン(violon)、ヴェ(vais)とモヴェ(mauvais)という風に詩行の末尾が同音あるいは類似音で終わること。 これが1行目と3行目で行われ、2行目と4行目は別の脚韻を踏む、あるいは1行目と4行目で脚韻が踏まれ、2行目と3行目では別の脚韻を踏む、という具合に続いていきます。

もう一度、1番目の歌詞を見てみると、

Comme un enfant aux yeux de lumière
Qui voit passer au loin les oiseaux
Comme l'oiseau bleu survolant la Terre
Vois comme le monde, le monde est beau

1行目と3行目、そして2行目と4行目でちゃんと脚韻を踏んでいることがわかります。歌詞を見てみると、最後までそうなっています。

ポップスなのに定型詩の作り方をしているんですね。

ここにも言葉の音が与える牽引力があるように思います。

また、上述の大隈教授の説明を借りると、

フランス語には男性韻と女性韻があります。

これは女性韻は無音のeで終わり、男性韻はそれ以外というものです。

 男性韻や女性韻だけが続くと単調になるので、15世紀に男性韻・女性韻を規則的に交代させることが思いつかれました。平韻または連続韻と呼ばれるのが《男男女女》《女女男男》で終わる脚韻で、交韻と呼ばれるのが《男女男女》《女男女男》、抱擁韻とは《男女女男》《女男男女》という並びのものです。

歌詞を見てみると、私が上で名付けたメロディーの違う5番の例外を除いて全て「女男女男」の交韻になっていて、これもメロディーに合ったリズムを作っているように思います。

この脚韻を味わいながら、もう一度聞いてみてください。

ということでしつこいですが、再度、Kids UnitedのMVです。

www.youtube.com

 

続きます!